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きおくのへや

Hide and lurk

きょうだい児

2歳上の兄が自閉症と診断されています。
比較的軽い等級なのですが知的障害も伴っているので、やはり健常者のような生活を送ることは困難で、特別支援学校を卒業したあと障害者枠で働いています。
発達障害児らしくこだわりが強いし、感情を自分でコントロールできない場面もあるのですが、普段共に生活する分には接し方に気を付ければ至って素直な性格です。

 

 

ここからはきょうだい児としての私の話です。
兄のことは好きです。子供の頃はよく殴られましたが、こちらも殴り返していたのでお互い様です。今はもう大人なので少しは落ち着きました。
小学生、中学生のころはそれこそ大変な思い出がたくさんある。ゲームのデータを消されたり、私物を壊されたりラクガキされたり、血を見る喧嘩もしょっちゅう。
学校でも兄が障害児だということで、兄の同級生から色々さんざんな目にあったこともあった。廊下でのすれ違いざまに蹴り入れられたり、階段から落とされたり、兄が暴行されているところへ割って入ったら逆に私がボコボコにされたり。
年上の中にクソガキが突っ込んでいったらそりゃそうなるだろって感じですがそういうことを考えるほどの知恵がなかった。
まあ変わった人間を排斥するようないじめは大人の世界にすら存在するので、ふつうの子供なんて尚更、障害児がクラスメイトとして混ざっている異物感に抵抗があるのもおかしくないと思う。
あとあまり好きではない俗語ですが、クラスメイトの障害児の世話をするような子を「〇〇くん係」とか呼んだりしますよね。本来なら子供に、しかも血縁関係のない他人にそういう役目を負わせるのはよくないと思うけど、そういう立場で兄と関わってくれていた子はやっぱりストレスが溜まるようで私に当たってました。
自分の同級生にも「お前の兄貴変だよな」と言われてた気がする。
まあ色々あったけど、もはや昔の話なので思い出せないことのほうが多くてトラウマというほどではない。兄を守ることに一種の使命感を感じていたからあまり苦でもなく、そんな自分に酔っていた気もする。今となっては。
毎日毎日兄を叱って躾けて疲れ果てている両親よりも、私のほうがだいぶ楽をしているのだということはわかっていたので、ボコボコにされていたことは親も知らないと思う。毎日のように兄とやり合ってボコボコなところを他人からも殴られてても気付かないしね。



兄が障害者だということは友達には基本的に言わなかった。家族の話をしているときになるべく軽く打ち明けたら「一生お兄ちゃんの世話するんだね、結婚できないんじゃない」と言われたことがあって、それ以来話してない。
兄弟の障害が原因で婚約破棄とか、実際きょうだい児にはたまにあるらしい。
私はもともと好きな人もろくにできたことないしそういうのを丸ごと放棄して生きてるけど、現実での恋愛や結婚、親からのそういう期待とか、色々なものからの逃避でしかないような気がしてくるときがある。
彼氏作りなよ、って友達や親に言われるのはいろんな意味で苦痛だけど、このくらいの年頃なら避けては通れない話題なことはわかってるからどうしようもない。
それこそ「障害のある兄がいるから考えていない」なんてのは他人に話すにはじめじめしすぎてるし親に話したら悲しむか怒るかするだろうから、こういうところで書き散らすくらいしかできない。
なんだかこの先どうなっても、結局誰にもまっすぐ顔向けできない人生になる気がする。恋愛以外にも人生にはいろいろあるけど、そういう価値観自体が逃げとされる場面もあるだろう。どないしよ。

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