きおくのへや

キモオタリアリティ

問診のすゝめ

「自分は能力が足りていないと感じる。周りとうまくやれていないと感じる。
 もしかしたら発達障害などを持っているのかもしれないが、いざ検査をして異常がなかったらただの"足りていない人間"だという証拠になってしまうので踏み出せない」


ということを冗談交じりでも切実にでも言っている方をときどき見かけますが、よく考えたら私がまさにそれだったのでちょっとだけ思い出話を書いておきます。



高校時代、私は入学後3か月という圧倒的速度で不登校になりました。
親には失望され、担任からもCメール(当時)で頻繁に連絡を頂き、でもどうしても登校することができない。
いじめられたわけでもないし、嫌なことがあったわけでもない。自分でもどうして行けないのかわからず、ただのサボり魔じゃないかとさらに落ち込みました。
母親と担任が何度か話し合いを重ね、おそらく私の学校での様子・家庭での様子を共有し、ある程度擦り合わせが終わったのであろうある日、母が担任から「発達障害の検査を受けてはどうか」と提案されたことを私に伝えてきました。
私には自閉症の兄がおり、児童相談所や役所の手続き、病院なんかによく同行していたので馴染みのない言葉ではなかったし、「私も同じだったんだ」と、なんなら光明を見つけたような心地で心療内科を受診しました。
(高校生を診ることができる病院とそうでない病院があるので事前に調べましょう)

1か月ほどかけて3回検査を受け、結果は所見なし!
しかし、だからといって「ただの出来損ないサボり魔ですつべこべ言わずに学校いけ」とはならず。
検査と並行して診察とカウンセリングを受け続けた結果、私には病名がいくつかつきました。
うつ病解離性障害、そして愛着障害
そういった病気(主にどれだったかは忘れました)によってあらわれる症状が、発達障害の特性に似ている、ということらしいです。
違う病気なのに変なの~とそのときは思ったのですが、事情は違えど脳がうまく機能していないという共通点を考えるとそういうこともあるんだろうね。

その後私は数年間通院し、ときには入院もして、10年以上経った現在はほぼ寛解したとお墨付きをもらっているわけですが、
今でも、というより幼少期からずっと運動神経は低いし、手先は不器用だし、コミュニケーション能力もないし、距離感を見誤りドアや手すりに腕や脚をぶつけることも、使ったものをてきとうにあたりに放ってそのまま忘れてしまうこともあります。
それを気にして医師に話し、改めて心理検査を受けられないかと尋ねたこともあるのですが、「そのようなことは誰にでもある、極めて顕著でなければ問題はない」ということで、今の私は精神科医公認のただのマヌケです。
自分がマヌケだという話がしたかったわけではなく、そういうこともあるので、検査を受けてみるのもいいんじゃないかという話です。生きづらさに原因があるのなら、対処がわかっているほうがいいに決まっています。
精神や神経は自覚しないうちに調子が崩れているもんなんだとこの経験で思い知りました。そういった不調を見つける手立てになりえるのでおすすめです。


最後にもう1つ思い出話なんですけど、自分の気持ちを話せるような親しい相手はいるのかという意味で当時の主治医に「恋人はいるのか」と聞かれ、「まだ15歳なのにいる人いるの!?」と驚いたのですが、20代後半に差し掛かった現在もいません
そういうところも病院で治してほしいです